好きなマンガは? :「寄生獣、ピンポン、ザワールドイズマインこのあたりが好きなマンガです。」 得意なテクニックは? : 「そうですね。。トーンで影とかを表現するのは少し得意かもしれません。」 どのようにストーリーの作っていきますか? :  「そうですね。まず、ストーリーはあんまりアイデアと呼べるものはないです。
どちらかというと、「こんなオチにしたい」とか「こんな見せ方をしたい」みたいなアイデアがあって、それにストーリーを合わせた感じですね。」
あなたにとって漫画とは? :「また難しい質問ですね。 『料理』でしょうか。。色々混ぜすぎてもよくないし、かといって味が薄いのもイヤだ。 メインを引き立てつつ、かくし味もちょっぴり加えて、あとは愛情。」 作品について一言 : 「こんな料理を出されたら、もう二度と来たくなくなるような味ですが、 愛情だけは多めにこめておきました。」

≪以下、2013年インタビュー≫


―よろしくお願いします。今回はいつものシリアスな雰囲気の中にどこかメルヘンな要素のある、絵本のようなお話しに感じました。 今回のストーリーはどのように生まれたのでしょうか?  『今までは、わりとリアルな現実社会っぽいマンガを描いてきたので、今回は独特の世界観を出したいと思って描きました。

あと、僕はもともとロマンチックな方ですよ。』

―そうなんですね。最近ロマンチックなことはありましたか?』 『このまえすごい事があったんですよ!
僕は電車通勤なんですが、通勤時間が長いので、大体本を読んで時間をつぶしているんです。 その日も、イスに座って本を読んでいました。 ふと、向かい側の席に目を向けると、女性が座っていたんです。 そして、本を読んでいたんです。
僕が読んでいる本と全く同じ本を。
これって、奇跡ですよね。僕は胸の鼓動が高まるのを抑えることができませんでした。だってすごい確率ですよ! そこまで有名な本じゃないし、発売してからかなり時間が経っている本なんです。 そんな本を、同じ時間の、同じ電車の、同じ車両に乗った、向かい合わせの男女が読んでいる。
これが奇跡じゃなくてなんなんですか!
でも、その人の顔を見たとき、「スッ」と鼓動は落ち着きました。

おばさんでした。(僕の母親くらいの年齢)
もうほんとに、憑き物が落ちたかのように、僕は落ち着いたのです。』

―(笑)そういうことありますよね。こう…「スッ」とね。
先生がロマンチックなのは十分わかりました。最初からいきなり話が逸れてしまいましたね。話を戻します。
今回は独特の世界観をということでしたが、それに際して何か工夫されたことはありますか? 『やっぱり一番は、セリフを無くしたこと ですかね。 読書に想像して欲しいので、なるべく、登場人物にキャラを持たせないようにしました。 ゲームでいうとドラクエみたいな感じですね。』
―セリフを無くして漫画を成立させるっていうのは、想像以上に大変なことだと思うのですが、その点はいかがでしたか? 『いえ、それがそうでもないんです。
想像してみてください。 あなたがマンガ家だとしましょう。
夜中に自分で考えたセリフを、次の日に読んだとき、どうなりますか?
答えは「めまい、寒気、嘔吐感」です。
映画のタイトル風に言うなら「ものすごくキモくて、ありえないほどダサい。」です。
めちゃくちゃ恥ずかしくて、ぞわっとしちゃうんです。
その感覚を味わわなくて済むので、かなり捗りますよ。』

―なるほど、そう考えるとオシャレな雰囲気も出るし、効率的なな手法ですね。 ということは、例年に比べてスムーズに執筆が進んだのでしょうか? 『そうですね。徹夜は10回以内に抑えられたと思います。』
―それはスムーズではないのでは?笑 『決してスムーズとは言えないかもしれないですが、読者の笑顔を思うと、がんばっちゃうんですよねぇ。。
ほんと、そのためだけにやってますから。』

―素敵な答えですね。やっぱりそうですよね!読んでくれる人達がいて成り立つことですもんね。
では最後になりますが、そんなジャンク読者の皆様にメッセージをお願いします。 『少年ジャンク4号の背表紙にこんな言葉が書いてあります。

「男ってやつぁ、いくつになってもお子ちゃまなのさ。」

ホントにその通りだと思う。
もう僕たちは20代後半だ。普通は、結婚したり、子供ができたり、仕事が面白くなってきたり、そういう時期かもしれない。 でも、僕たちはマンガを描いている。 授業中や休み時間に、ノートに落書きした絵を見せ合っては笑っていた、あの頃と何も変わっていない気がする。 少年ジャンクの「少年」には、そんな意味も込められていたのかもしれない。 ジャンクを手に取って「面白そう!」と言って買ってくれる方々の表情にも、少年(あるいは少女)のまま、変わらない何かを感じることが出来る。

ジャンクは「がらくた」という意味です。
だから僕たちはがらくたを一生懸命作っていることになる。
でも、思い出してください。
あの頃、僕たちが目を輝かせていたものは、机の引き出しに大切にしまっていたものは、そんな、とびっきりのがらくたではありませんでしたか?』

<以上>